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島村楽器ドラムブログ

島村楽器のドラムブログ。ドラムにまつわる様々な情報を発信していきます。

【徹底検証】 ジルジャン ( Zildjian ) シンバル、アベディス ( Avedis ) シリーズのハイハットをレビュー。現代によみがえる 「ヴィンテージ Aジル サウンド」!? (Part 2)

現代によみがえる、「心地よいAジル サウンド」!

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こんにちは、熊本店の坂田です!

1930~1960年代までJazzからロックの誕生まで、ポピュラーミュージックの発展を支えてきたシンバルといえばジルジャン。今聴いても「あの頃のシンバルは何かが違う、、」とついつい思ってしまう方もいると思います。昔の心地よいシンバルサウンドを再現したモデル、それが先日発売されたアベディス・シリーズです。

前回はクラッシュ兼ライド・シンバルを紹介させて頂きましたが、今回はハイハットシンバルをご紹介します!

ハイハットシンバルというのは、ドラムセットにおいて一番叩く機会の多く、かつリズムを刻み、ギターやベースのガイドとなる役割も果たす重要なシンバルです。一味違う個性を出したい、という方もハイハットを変えるだけで他のドラマーと差を付けられるやもしれません!

アベディス( Avedis )は全部で3ラインナップ、ペアで6枚用意されています。今回はこの3種を検証していきたいと思います!

【おさらい】ジルジャン (Zildjian) とは

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シンバルの生みの親であり、約400年の歴史を持つ定番中の定番。1623年にトルコ、イスタンブールジルジャン社を創業。現在はアメリカのボストンに生産工場があるシンバルメーカー。現在に至るまでその金属の製法は一子相伝で、ジルジャン家のみしか受け継がれていません。キャストシンバルは全て同じ金属を使っており、音色の変化はすべて加工やウエイトの違いのみでつけているという、シンバル作りを知り尽くしたメーカーです。

主なラインアップは2種類。スタンダードかつ、きらびやかな「Aジルジャン」、そしてハンマリングなどを施し、よりダークな「Kジルジャン」があります。今までKジルジャンにはヴィンテージサウンドを再現したKロップがありました。今回のアベディスは今までなかった「待望のAジルジャンのヴィンテージサウンド」です。

  • 「Aジルジャン」のヴィンテージサウンド → アベディス (Avedis)
  • 「Kジルジャン」のヴィンテージサウンド → Kロップ (KEROPE)

アベディス ( Avedis )について

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1930~1960年代、モダン・アメリカンシンバルの父、アベディス・ジルジャンⅢ世によって作られたAジルジャンは、当時大流行した、スウィングジャズ、ビバップ、ロックンロール等の数え切れないほどの名曲・名盤を彩ったシンバルサウンドを生み出してきました。

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チック・ウェッブ(左) とアベディス・ジルジャンⅢ世(右)

当時のジルジャンを支えたアベディス・ジルジャンⅢ世に敬意を表して"Avedis"と名づけられたこのシリーズは、伝説的なサウンドを新世代のドラマーに向けて“リマスター”したシンバルです。

ちなみにこちらの「Avedis」のロゴ、実はアベディス・ジルジャンⅢ世のパスポートから写し取った本人の自筆のサインだとか。

アベディスの特徴

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まずそのシンプルなデザインに驚きました。。控えめなロゴを見ると逆に期待をしてしまうのは私だけではないはず。。

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次に使い込まれたオールドシンバルを彷彿とさせるフィニッシュ。

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カップの裏側に各個体の重量が手書きで書いてあります。

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ビンテージスタイルの音溝加工。優れたレスポンスが期待できます。

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1960後期~1970年代に付いていたと言われるオリジナルの白抜きZildjianロゴがシンバル裏面に。

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こちらも復活!トレードマークの刻印を、レーザーではなく1950年代に使用されていたローラーで再現してあります。芸が細かい!

 

検証の前に叩き方と方法

今回のハイハットの検証は全てこの叩き方で統一していきたいと思います。写真ではSシリーズハイハットを例として使用しています。

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①足で刻む

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②足でハイハットのオープン、クローズを交互に行う

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③スティックでボウ部分をチップで叩く

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④エッジをスティックのショルダーで叩く

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⑤スティックでオープン、クローズして最後に徐々に開きながら叩きます。

アベディス検証

①A Avedis HiHat 14『AA14HT/AA14HB』

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メーカー希望小売価格:¥52,000(税抜) ¥56,160(税込)
販売価格:¥44,200(税抜)¥47,736(税込)
JAN:0642388315217(トップ) / 0642388315224(ボトム)

 まずは定番の14インチ。このアベディスシリーズでは一番小さいサイズです。

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トップ:AA14HT(左) / ボトム:AA14HB(右)

まずは見た目ですが、ハイハットシリーズは全てトップが黄色っぽく、ボトムが赤っぽくなっています。(個体差かもしれませんがパッと見てどちらがトップ/ボトムか、というのがすぐに分かるようになっています)

クラッシュ/ライド同様、裏側には重さが書いてあります。検証で使用したシンバルの重さは、トップ920g/ボトム1200g。ヴィンテージさながらのフィニッシュに加え、通常のAジルジャンに比べると若干アール(テーパー)がきつめになっています。

それでは聴いてみましょう!

通常のAジルジャンハイハットと比べると、若干軽さがプラスされたような印象です!音量はしっかりとあり、粒立ちも良くキレもあるんですが、Aジルジャン特有の金属っぽさというのはかなり少なく、カラッと枯れたヴィンテージサウンドをいきなり堪能できます。個人的には、ヴィンテージハイハットの大きな欠点といえる、トップとボトムの噛み合わせの悪さ(当時の物は個体差やシンバルの1枚1枚の重さや歪み等、ばらつきが多い)が全くないので、快適に使用できます!

高音域のキンキンする部分もうまく削れているのも良いです!

②A Avedis HiHat 15『AA15HT/AA15HB』

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メーカー希望小売価格:¥56,000(税抜) ¥60,480(税込)
販売価格:¥47,600(税抜)¥51,408(税込)
JAN:0642388315248(トップ) / 0642388315255(ボトム)

さあ次は15インチです。

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どうですか?右がボトムですがやっぱり赤っぽくなっていますね。

14と比較してみると、見た目はほとんど同じですが、前回のクラッシュ/ライドシンバル達と違い、カップのサイズがほとんど14インチと変わりません。サイズはトップ1122g/ボトム1462g。約200~250重くなりました。

音色はあまり変わりませんが、ピッチがひとまわり低くなり、ほんの少~しだけレスポンスが遅くなりました。粒立ちも14には及びませんが、代わりに音量とガシャガシャ感はアップ!(笑) スティックで叩く分には14インチよりも15インチの方がクリスピーに感じます。またピッチが下がるだけでここまで落ち着いた印象を受けるものか、と驚きました。。

③A Avedis HiHat 16『AA16HT/AA16HB』

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メーカー希望小売価格:¥60,000(税抜)¥64,800(税込)
販売価格:¥51,000(税抜)¥55,080(税込)
JAN:0642388315279 (トップ) / 0642388315286 (ボトム)

こちらが最後の16インチ。

大口径のハイハットを使用しているアーティストといえば、スティーブ・ジョーダンの印象が強いですが、彼は17インチのクラッシュを合わせているとか。スタンドにセットするとその存在感に一瞬圧倒されます・・・(笑)

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ロゴもかなり小さく感じます。重さはトップ1226g/ボトム1502g。ボトムは15インチと殆ど重さが変わらず。

思ったよりも軽快で、なおかつ豪快!音は擬音で表現するなら「サクサク」です。閉じていればチック音も気持ちよく出ます!ハーフオープンはさすがの豪快サウンドです!落ち着きのあるピッチで少し重めのロックに最適だと思います。

クラッシュを重ねてハイハットとして使うドラマーいますが、案外音にコシが出ず、粒が出ないことが多いのですが、ここはさすがハイハット専用。これなら安心です。

なお、16インチハイハットはやはりトップは重いので、ハイハットスタンドはペダルのテンション調整機能付きのものを使用することをお勧めします。

実際のオールドと比較してみました

A Zildjian HiHat 14 (推定 1960~1970年代製造)

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ボトム(左)、トップ(右)

オールドAジルジャンと比較してみました!

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オールド(左)、アベディス(右)

オールドの方がクッキリとレイジングが入れてあるのが分かります。

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ロゴ。

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裏側。こうやって見ると、オールドの方がカップが緩やかで大きいです。レイジングの入り方は非常に似ています。

今回使用したシンバルの重さです。

  • アベディス  トップ920g/ボトム1200g
  • オールドA   トップ900g/ボトム1275g

重さはかなり近いので、比較しやすい個体でした。実際に叩いてみましたので聞いてみてください。

レイジングがやはり鋭く深い分、オールドAの方が若干エッジが効いています。粒立ちや音色もアベディスシリーズとはまた一味違いますね!

前回同様、一言にオールド、と言っても音はもちろん状態であったり、傷み具合も個体差があります。よって今回の比較はあくまでも参考程度にしてもらえればと思います。

アベディスをここから叩き込んで、さらに深みのあるシンバルへと成長してくれるのが楽しみです。

ドラムセットで叩いてみた

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最後にハイハットメインでのリズムで叩いてみました。

14インチ→15インチ→16インチの順に叩いていますので、違いに注意して聴いてみてください。

3つ並べて叩き比べてみると改めて感じますが、音色はやはり非常に近いです。

ドラムセットに組み込んでみると改めて定番サウンドとしての素晴らしさを感じることができます。古いリハーサルスタジオに、ずーっと置いてあるジルジャンハイハットを叩いた時に、「これめっちゃいい音する」と感じたことありませんか?そんなドラマーに是非オススメしたいです!(笑)

アベディス 検証後記

アベディス、どうでしたか?

前回と合わせてこれで全ラインナップを紹介してきました。今回の新商品は「ヴィンテージの復刻版」ということもあってか、少し "渋い" 印象を受けるかもしれません。まさにジルジャンのフラッグシップモデル、「Aジルジャンの原点」といっても過言ではありません。

ヴィンテージサウンドと言いますと限られた使い道しかないのでは、と感じるかもしれませんが、ぜひ一度このシンバルに触れて、叩いてみて欲しいと思います。案外色々なジャンルでお勧めできる懐の深い素晴らしいシンバルであることが分かっていただけると思います。

楽器とは常にその時代の音楽に合わせて生まれてきました。現代の音楽シーンに「ヴィンテージサウンド」をもう一度持ってきたジルジャンの狙いとは?このシンバルを使う若いドラマーが増えるのが楽しみです!

今回の使用機材

今回のサウンドは以下の機材で録音しました。

使用マイク SHURE SM-58LCE×2本
使用スティック リーガルチップ R208-JP(ジェフ・ポーカロモデル) 

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マイクもスタジオなどでは超定番のSHURE SM-58で録りました。

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この記事を書いた人 

熊本パルコ店 ドラム担当 坂田

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