島村楽器ドラムブログ

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【徹底検証】 ジルジャン ( Zildjian ) シンバル、アベディス ( Avedis ) シリーズをさっそくレビュー。よみがえる 「あの頃のAジルサウンド」!? (Part 1)

現代によみがえる、「あの頃のAジルサウンド」!

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こんにちは、熊本店の坂田です!

ついに来ました。アベディス( Avedis )!

1930~1960年代までJazzからロックの誕生まで、ポピュラーミュージックの発展を支えてきたシンバルといえばジルジャン。今聴いても「何かが違う、、」とみんなが思うその頃の心地よいシンバルサウンド、それを再現したモデルがついに登場しました!

2016年 NAMMショーの時に発表されてから、気になっていた方はたくさんいらっしゃったと思います。是非参考になればと思います!

【おさらい】ジルジャン (Zildjian) とは

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シンバルの生みの親であり、約400年の歴史を持つ定番中の定番。1623年にトルコ、イスタンブールジルジャン社を創業。現在はアメリカのボストンに生産工場があるシンバルメーカー。現在に至るまでその金属の製法は一子相伝で、ジルジャン家のみしか受け継がれていません。キャストシンバルは全て同じ金属を使っており、音色の変化はすべて加工やウエイトの違いのみでつけているという、シンバル作りを知り尽くしたメーカーです。

主なラインアップは2種類。スタンダードかつ、きらびやかな「Aジルジャン」、そしてハンマリングなどを施し、よりダークな「Kジルジャン」があります。今までKジルジャンにはヴィンテージサウンドを再現したKロップがありました。今回のアベディスは今までなかった「待望のAジルジャンのヴィンテージサウンド」です。

  • 「Aジルジャン」のヴィンテージサウンド → アベディス (Avedis)
  • 「Kジルジャン」のヴィンテージサウンド → Kロップ (KEROPE)

アベディス ( Avedis )について

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1930~1960年代、モダン・アメリカンシンバルの父、アベディス・ジルジャンⅢ世によって作られたAジルジャンは、当時大流行した、スウィングジャズ、ビバップ、ロックンロール等の数え切れないほどの名曲・名盤を彩ったシンバルサウンドを生み出してきました。

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チック・ウェッブ(左) とアベディス・ジルジャンⅢ世(右)

当時のジルジャンを支えたアベディス・ジルジャンⅢ世に敬意を表して"Avedis"と名づけられたこのシリーズは、伝説的なサウンドを新世代のドラマーに向けて“リマスター”したシンバルです。

ちなみにこちらの「Avedis」のロゴ、実はアベディス・ジルジャンⅢ世のパスポートから写し取った本人の自筆のサインだそうです。

アベディスの特徴

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まずそのシンプルなデザインに驚きました。控えめなロゴを見ると逆に期待をしてしまうのは私だけではないはず。。

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次に使い込まれたオールドシンバルを彷彿とさせるフィニッシュ。

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カップの裏側に各個体の重量が手書きで書いてあります。

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ビンテージスタイルの音溝加工。優れたレスポンスが期待できます。

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1960後期~1970年代に付いていたと言われるオリジナルの白抜きZildjianロゴがシンバル裏面に。

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こちらも復活!トレードマークの刻印を、レーザーではなく1950年代に使用されていたローラーで再現してあります。芸が細かい!

アベディス検証スタート!

①A Avedis 18『AA18C』

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メーカー希望小売価格:¥38,000(税抜)¥41,040(税込)
販売価格:¥32,300(税抜)¥34,884(税込)
JAN:0642388315293

実は今回のアベディス、型名の最後に「C (クラッシュ)」という文字があるのですが、特にライド、クラッシュといったカテゴリ分けはありません。この18インチがハイハットを除いて最も口径の小さいシンバルです。

重量は1316g。持った感じは軽いです。それでは聴いてみましょう!

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Aジルジャンってこんな音だったっけ?と思ってしまうほど枯れています!すごく乾いたいかにもヴィンテージライクな音ですね!華やかさ、というよりは落着きのあるサウンドですが、決してダークなわけでもなく、短めですがそれなりにサスティーンもある、なんと表現していいのかわからないですが、とにかく凄いです!笑

カップの鳴りはかなりオールドっぽい鳴り方をしているんではないでしょうか?再現度高いです。

やはり、ライドシンバルというよりは、クラッシュしてあげた方が、このシンバルの良さを引き出せるのかな?といった感じ。

②A Avedis 19『AA19C』

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メーカー希望小売価格:¥40,000(税抜)¥43,200(税込)
販売価格:¥34,000(税抜)¥36,720(税込)
JAN:0642388315309

19インチ。ここまで型番で見ると「C(クラッシュ)」の付くライン。重量は1570gと約250gアップ。カップやレイジングはほとんど見た目では変わりはありません。

特徴がないのが特徴です!それでは聴いてみましょう!

 

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18インチと比べると、ひとまわり大きくなった分、音に厚みと深みが加わりました。音色はさほど変わりませんが、低音成分はかなり多くなったように感じます。こちらもサスティーンは短め。シンバルレガートなども、叩くうちに少しづつ暴れていきますが、そこが丁度いい塩梅で、ライドとしても面白い一枚。クラッシュもこのサイズにしてはレスポンスは良いです。ロックでもジャズでもいろんな場面で活躍できます!

③A Avedis 20『AA20R』

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 メーカー希望小売価格:¥43,000(税抜)¥46,440(税込)
販売価格:¥36,550(税抜)¥39,474(税込)
JAN:0642388315316

ここからは型名が「R(ライド)」表記に変わります。

何か変わったところが無いか、じっくりと見ていましたが、正直サイズ以外で見分けがつかない程、ほとんど同じ形をしたシンバル。ウエイトが1880gと19インチに比べ約300g増、割と重量差はあります。

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20インチという大きな口径の割には、カラッとした乾いたサウンドです。このサイズでも減衰は速め、むしろ18インチを叩いた時と感覚が似ているという不思議なシンバル。変な残響も残りません。クラッシュさせるのに少し力は必要になっていますが、ガンガン叩いても全く邪魔になりません。ピッチは少し落ち着いてきてライドとしても使いやすくなっています。

④A Avedis 21『AA21R』

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メーカー希望小売価格:¥46,000(税抜)¥49,680(税込)
販売価格:¥39,100(税抜)¥42,228(税込)
JAN:0642388315323

ここまでくると流石にクラッシュにしては大きいかな?と感じます。形は相変わらずほとんど変わらずにひとまわり大きくなってしまいました・・・

ウエイトは2218gと遂に2kgを超えています。聴いてみましょう!

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いままでと比べ、ピッチは順当に下がってきましたが、サスティーンの伸び方やカップの硬さが一気に変わりました!クラッシュした時も減衰が緩やかになり、きらきらとした余韻が残るようになりましたね!ここまで18インチから聴いてきて、個人的には一番違いを感じることができたシンバルです。ボウ部分も広くなったおかげで、表現力も多彩で叩く場所でいろんな表現が可能です!

⑤A Avedis 22『AA22R』

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:¥49,000(税抜)¥52,920(税込)
販売価格:¥41,650(税抜)¥44,982(税込)
JAN:0642388315330

アベディス最大のシンバルはこれ!最後まで見た目はほとんど変わらないシンバル。22インチは2704gと一気に500g重くなりました!

聴いてください!

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ある程度厚みが増したのもあってか、ピッチは21インチとあまり変わりません。ただ、ライドとして使うのであれば、こちらの方が、ピング音がしっかりと出ますし、粒がはっきりと立っていて存在感はあります!クラッシュした場合は、アタックが遅く音が一歩遅れて聞こえますが、この程度なら問題なく使えます。音もゴージャスでgood! 

ドラムセットで叩いてみました

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このAアベディス(Avedis)というシリーズは、特にクラッシュ、ライドといったカテゴリ分けは無いので、ライドシンバルとしてのプレイと、クラッシュで刻んだプレイで叩き分けてみました。

どちらも18インチ→19インチ→20インチ→21インチ→22インチの順番で叩いていますので、音程の違いや音量、や音色の違いに気を付けて聴いてみて下さい。

ライドとしてプレイ

音を擬音で表現するのであれば、18~20インチまでは「サクサク」。よく枯れたシンバルを叩いているような感覚で、少し薄めのライドのように叩けば少しずつ振動が大きくなっていく感じ。個体差の関係もあるかもしれませんが、21インチからはライドらしいライドに変わっていきますね。ある程度硬さも出てきてリズムが引き締まります。

クラッシュとして刻んだプレイ

すべてのサイズしっかりと音程が取れていて徐々に口径が大きくなってもサウンドキャラクターは変わらず、ピッチだけが変わっていくような感覚です。クラッシュとしての性能は本当にどのサイズでも粒ぞろいでハズレ無しです!暴れる感じもなく音楽を壊さない節度を持ったサスティーンは本当に良いです!

おまけ:本物のヴィンテージと比較してみました

ここで簡単にヴィンテージシンバル「オールドのAジルジャン」と比べてみました。

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A ZILDJIAN 20" RIDE (推定 1960~1970年代製造)

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Aアベディス 1880g (左)、オールドA 2104g (右)

レイジングの入り方は非常に似ています。

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少し分かりにくいですが、刻印もしっかりと同じものがついています!

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カップ。オールドの方が少しだけ鋭くなっていますね。

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写真に角度の違いはありますが、シンバルのアールの付き方もほとんど同じです。さすがジルジャンさん、アベディスを開発するにあたり、オールドを研究し尽くしただけありますね!

 

肝心の音ですが、実際どうなんでしょうか。聴いてみましょう!

どうでしょう、何か近いものを聴き取ることができましたでしょうか?

オールドのシンバルは長年の経年変化に加え、数えきれないくらい叩き込まれていることが多いためか、音がなじんでいる印象を受けますね。

ただ、一言にヴィンテージ、と言っても音はもちろん状態であったり、傷み具合も個体差があります。参考程度にしてもらえればと思います。

 

それにしても今回のアベディスは最初の段階で既にこれだけの味わいのあるサウンドです。「楽器とともに成長」と言ったりしますが、このシンバルがこれからどんな音になっていくのか、楽しみですね!

アベディス 検証後記

みなさまいかがでしたでしょうか?

ジルジャンのスタンダードと言えるAシリーズ。アベディスというヴィンテージサウンドの登場によってさらに幅が広がり、選択肢が広がったと思います。ヴィンテージだ、枯れたサウンドだ、という言葉にとらわれず、ぜひ「今の音楽」の中で叩いてみてくださいね!

 

次回はアベディスシリーズで今回紹介できなかったハイハットシンバル3機種のレビューをしたいと思います!

それでは次回をお楽しみに~!

 

今回の使用機材

今回のサウンドは以下の機材で録音しました。

使用マイク SHURE SM-58LCE×2本
使用スティック リーガルチップ R208-JP(ジェフ・ポーカロモデル) 

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マイクもスタジオなどでは超定番のSHURE SM-58で録りました。

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この記事を書いた人 

熊本パルコ店 ドラム担当 坂田

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