島村楽器ドラムブログ

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【こだわりの逸品】 孤高のドラム職人が生み出す逸品、ダネット ( Dunnett ) とは

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こんにちは!開発担当のイシイです。

本日はカナダ発の銘品スネア、ダネット (Dunnett Classic Drums) について紹介します。

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ダネットとは

ドラムビルダー、ロン・ダネット (Ronn Dunnett) 氏

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「マネすること、それは最も誠実な形のお世辞である」

これはよく聞く言葉ですが、ダネット氏は同時にこう言うそうです。

「創造すること、それは最も誠実な形の批判である」

 

いきなりマジメな話に突入です。。。自身もドラマーとして活動していたダネット氏は既存のドラムに満足していませんでした。そんなダネット氏、1978年から既存メーカーのドラムのシェルやハードウェアの改造を始めます。(リフィニッシュ、およびベアリングエッジの加工)

1994年には既存の概念にとらわれない、独自のコンセプトに基づいたプロトタイプが完成していました。そこから「ダネット」という名のブランドのスネアがプロの現場の中で浸透していき、今に至ります。

その時に完成したステンレススチール製のスネア、そして今やダネットの代名詞とも言えるチタン製 (世界初) スネアは超一流のドラマー、プロデューサー、そしてスタジオ・エンジニアなどの手に渡っていったとか。。

ダネットのこだわり

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今でもカナダの工房で一人でドラムを作り続けるダネット氏、各パーツについて様々なこだわりがあります。ここからはオフィシャルサイトに掲載されている、ダネット氏の言葉を届けます。

重量バランス

シェルとハードウェアの重量バランスがドラムのサウンドを決めます。世の中には「重量的に重いドラムがより大きな音量を出せる」という誤解が蔓延しています。事実、世の中には大きな音量を出せるドラマーがいるだけで、大きな音量が出るドラムというのは見受けられません。ペイント缶を思い浮かべて下さい。水が満タンに入った缶と空の缶。どちらの音量が大きいですか? ドラムはサイズと同じくらい、重量と質量の可変が音質を決定するのです。神話や誤情報に基づいたトレンドに相反して、Dunnett Classic Drumsはシェルの重量(軽さ)に焦点を絞っています。少ない質量で、シェルとの設置面を極限まで減らしたハードウェア、効率的な数量のラグ(8つが最大値)、そして通常よりもサイズを落としたシェルを組み合わせて、Dunnett Classic Drums固有の素晴らしい響きと全帯域に渡って共鳴するサウンドが生まれるのです。

ベアリング・エッジ

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少しシンバルについて考えてみましょう。クラッシュシンバルとチャイナシンバルの音の違いはどこから生まれるのでしょう? それはフランジです。何か音の出る物を曲げてみると、響きに違いが出るのが分かると思います。ドラムのメタルシェルにもこの理論は当てはまります。事実上、現在入手できるすべてのスネアはフランジがあるため、(鈍角な)ベアリング・エッジになってしまいます。Dunnett Classic Drumsではフランジを採用していません。それによりクリアでクリーンな、サスティンのある響きを実現しています。またフランジ無しのエッジは、簡単で正確なチューニングやテンションをもたらします。

シェル

木製シェル同様、メタルシェルの厚みは、シェルの重み、更にはドラムのキャラクター自体を決定付けてしまします。ギターのソリッドボディとホロウボディの違いを考えてみて下さい。ホロウボディの構造は、音響効果的な観点では理想形です。Dunnett Classic Drums のシェルはどんなパフォーマンスにおいても最適になるよう調整されています。比較的重いシェルは事実上「ソリッドボディ」のような音になります。ドラム全体から出てくる音というよりも、ヘッドから鳴っているような音です。

ダネットの革新

ダネットには他のスネアには見ることができない、独自の仕様が施されています。

スネアベッド

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スネアベッドはスナッピーを装着するために一段下げられたシェルの淵の部分。このスネアベッドはスネアの機能や響き、パフォーマンスに大きな違いをもたらします

Dunnett Classic Drumsのスネアは全て「ソフトベッド」を採用しています。これによってバズ(音を鳴らしていない時のスナッピーの共振音)を排除すると同時に、42本線のスナッピーにも対応可能になります。

ヴェントホール(空気穴)

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Dunnett Classic Drums にはトラディショナルなヴェントホールは見当たりません。特許を取っている Hypervent™ I やⅡというシステムによってオープンシェル(ホールあり)かクローズドシェル(ホールなし)を好みによって使い分けられるようになっています。

クローズドシェルの場合、ドラムの中の空気は非常に有能な空気圧縮機として機能し、それによってトップヘッドとボトムヘッドの振動は1:1の比率になります。どんな場合でもヘッドの動きを抑制しないのです。この様に「ヴェントホールが無いドラムは繊細でニュアンスが出しやすい」のです。しかしアグレッシブなプレイをする過激な状況下では、ドラムにはヴェントホールが必要です。Hypervent™ Iのおかげで、ダイヤルを回すだけでシェルにヴェントホールを出現させることが出来るようになるのです。

クライオジェニック

2000年3月、Dunnett Classic Drumsは史上初のクライオジェニック処理をシェルに施したメーカーになりました。クライオジェニックは音質劣化防止の作用があり、ブラスやブロンズ、カッパ―のような非スチール製メタルシェルのキャラクターを維持します。

ドラムに対する美意識

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メタルシェルの欠点とも言えるのが、仕上げの選択肢が少ないという点です。Dunnett Classic Drumsは4つの「ナチュラル・メタル・フィニッシュ」を採用しており、スパークルやトランスルーセントなどといったカラー・コーティングも選択可能になっています。

チタン、ステンレス製シェルや鋳鉄製シェル(The Sledge)ではRAWフィニッシュ(素材そのままnフィニッシュ) も選択できます。メタルシェルには、ラッカーやその他のクリアコーティングはオススメしません。RAW、すなわち材質そのままのシェルはいわゆる「生きた仕上げ」です。経年変化でシンバルのように風格が増してくるでしょう。

最後に:ドラムの価値とは

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良いドラムは安くはありません。また高ければ良いという訳でもありません。ある意味ドラムは投資に似ています。ハイクオリティで唯一無二のサウンドとルックスは、リーズナブルで入手可能でなければなりません。リーズナブルな価格設定にするということは商品の品質を下げるということだ、という意見を聞く事もあります。つまりは、値段が高くない商品は概して安っぽくなりがちだ、と言っている訳です。確かにほとんどの場合これに当てはまりますが、Dunnett Classic Drums は違います。ドラム製作において経費の削減はしません。ドラム製作は非常に競合他社も多く、製品同士が競争の対象となります。Dunnett Classic Drums の “Standard Classic” を他社の同価格帯の製品と比べてみてください。感動して頂けるはずです。

サウンド

ロン・ダネット さんの言葉、重みがありますね!

最後に演奏を聴いてみましょう。

福岡のポストハードコア・バンド、PALEDUSK の Reina さんの演奏でした!曲は Reminiscent 、そしてSavior です。

一打一打を正確かつパワフルに叩き込む技術、変則的な譜割りに対する変幻自在なアプローチ、そしてなんともミスマッチな素敵な笑顔、色々と信じられない演奏でしたね!スネアは1曲目がチタンシェルの 6514TI-R  (マットブラック仕上げ) 、2曲目がステンレススチールシェルの 6514 2N-SS でした。 (ドラムセットはカノウプスさんのものを使わせていただきました)

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6514TI-R (Matt Black) チタンシェルスネア

ダネットスネアは見た目の力強さや豪快さとは裏腹に、タイトで異常なくらいスナッピーの反応がいいのが特徴です。また音圧豊かな説得力のあるシェル鳴りについても述べなければいけません。

今までのスネア以上のものを求め、頭の中で鳴っているサウンドを追及し続けたダネット氏、そんな孤高のドラムビルダーが行き着いたそのクオリティを是非とも自分の耳で体感してみてください。

ダネット展示店

こちらの店舗で展示しています。

ダネット・ディーラーショップ 熊本パルコ店

札幌パルコ店 / 札幌平岡店仙台イービーンズ店 / ミーナ町田店 / 津田沼パルコ店 / 神戸三宮店 / 梅田ロフト店

 

Dunnett Classic Drums 本国サイト

 

次の「こだわりの逸品」ではダネットのスネアドラムについて、さらに詳しく紹介していきます。Reinaさんにはまた登場してもらいます。お楽しみに! 

 

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Reina (PALEDUSK)

プログレッシブメタルコアバンド、PALEDUSK のドラマーとして活動中。
16歳から様々なスクリーム・ポストハードコアバンドにて活動を続ける。2015年にPaleduskへオリジナルメンバーとして加入してから、全国各地にてライブ活動を繰り広げる。

PALEDUSK Official Site